横浜市の郊外に計画された、空間が螺旋状に連続する二世帯住宅である。中庭を中心として地下１階から地上２階まで半階ずつ上っていくシークエンスが、部屋と部屋を緩やかに繋いでいる。2世帯がいつでも、中庭を感じながら生活する住宅である。この螺旋状の構成は、様々な空間の距離感をつくりだしている。地下１階～１階を親世帯、１階～２階を子世帯というシンプルなゾーニングにより、二世帯の玄関や寝室は遠くに配置されているが、リビングやキッチンはレベル差を持ちながら近い距離感にある、といった複雑な関係を作り出している。この螺旋状に「回遊する」構成は、多世帯が住む住宅の原型となりうるのではないかと考えている。（日野雅司）

所在地：神奈川県横浜市
用　途：専用住宅

建　主：個人
設計:
・建築　SALHAUS
　担当：日野雅司、栃澤麻利、安原幹
・構造　構造計画プラス・ワン
施　　工：栄港建設

敷地面積：219.14m2
建築面積： 91.4m2
延床面積：179.82m2
構　　造：木造 一部 RC造
階　　数：地上2階、地下１階
竣　　工：2009.2

写　　真：西川公朗

location：Yokohama-city,Kanagawa

main use：private house

site area：219.14m2

building area： 91.4m2

total floor area：179.82m2

structure：W+RC

number of stories：1-basement and 2-stories

completion：2009.2

photo：Masao Nishikawa