House in Otsuka 大塚の家

2019/東京都文京区

子供の独立、夫の定年退職を機に、夫婦二人で充実したセカンドライフを過ごすための分譲マンションの改修計画である。3LDKであった間取りを1LDK+アトリエに改変し、一体空間でありながら夫婦それぞれの居場所がある住まいを目指した。

妻の趣味である陶芸や絵画のためのアトリエは、玄関から連続するオープンなしつらえとし、制作の場であると同時に展示の場にもなりうる空間とした。リビングダイニングの一角にはデザイナーである夫の書斎を設け、互いの気配は感じつつ、それぞれが独立しても過ごせる距離感を生み出した。

白いビニルクロスで仕上げられていた改修前の均質な空間に対し、壁に木や濃灰色布クロスを用いることで素材感を与え、玄関側の床をコルクタイル、リビングダイニング側の床をカーペットで仕上げることで、一つの住居の中に雰囲気の異なる空間を作り出している。

また今回の改修で、玄関土間の拡張、トイレのバリアフリー化、手すりの設置なども行った。安心して住み続けられる終の住処となることを願っている。(栃澤麻利)

所在地:東京都文京区

用 途:専用住宅(改修)

建 主:個人

設 計:

・建築 SALHAUS
 担当:栃澤麻利、日野雅司、安原幹、安倍直人

施  工:THモリオカ

延床面積:76.40 m2

竣  工:2019.4

写  真:矢野紀行

 

location:Bunkyo-ku,Tokyo

main use:private house

total floor area:76.40 m2

completion:2019.4

photo:Toshiyuki Yano