「白金の集合住宅」は、白金の住宅密集地に建つ全 8 戸の集合住宅である。狭小な敷地でありながらも、周辺環境と良好な関係をつくり、入居者が「ともに住まう」ことをテーマとした集合住宅である。近隣の住宅が建て込んだ環境であることに対して、この集合住宅は開口部を大きな「出窓」とすることで、屋外への距離感と開放性を共存させている。出窓はベンチやテーブルとして使える奥行き・高さに設定し、生活の一場面として利用される。「窓辺」が外と室内とに挟まれたバッファ・スペースとなり、ほどよいプライバシーを確保することができるデザインである。「出窓」はこの集合住宅の外観をつくる重要な要素でもある。大きなサイズの出窓がランダムに配置されたファサードは、住宅密集地の街並みと呼応し、画一的・閉鎖的にならない建築のたたずまいを作り出している。また、小規模ながらも入居者同士の接点となる場所をデザインしている点も、この集合住宅の特徴である。各住戸に設けられた広いエントランスホール土間や、パーティーにも利用できる屋上のコモンルーフガーデンは、集合住宅内の近所付き合いのきっかけとなることを意図している。住人同士の様々な距離感が、自然に成立するような場所となること、そのための工夫がプランニングに込められている。（日野雅司）

所在地：東京都港区
用　途：共同住宅

建　主：ライフプラン
設　計：

・建築　SALHAUS
　担当：日野雅司、栃澤麻利、安原幹、田中邦幸
・構造　構造計画プラス・ワン
・設備　ZO設計室

・内装　6D

施　　工：青木工務店

敷地面積：237.0m2
建築面積：141.9m2
延床面積：561.9m2
構　　造：RC造
階　　数：地上3階地下1階

住戸数    :7戸
竣　　工：2012.9

写　　真：矢野紀行

location：Minato-ku,Tokyo

main use：apartment building

site area：237.0m2

building area：141.9m2

total floor area：561.9m2

structure：RC

number of stories：1-besement and 3-stories

completion：2012.9

photo：Toshiyuki Yano