House in Kikukawa 菊川の住宅
東京都江東区/2014
©️SALHAUS
東京江東区、住居と町工場が混在する地域に建つ、家族3人のための住宅である。間口4m奥行19mの敷地は、奧が遊歩道を介して運河に面している。地盤が軟弱なため、建物の軽量化を図るべく木造3階建とし、燃え代設計による準耐火建築物とすることで室内に木の架構をあらわした。周辺の建物は敷地間口一杯に立ち並ぶから、南北両隣への開放性は期待できない。そのため、運河側の眺望と空間の広がりを建物全体に引き込んだ上で、深い奥行きの中に多様な居場所をつくり出すことを試みた。短手方向の耐震要素を確保しながら東西に抜けを持つ一体空間をつくり、切り妻屋根の段差、吹き抜けの階段室、ハイサイド、トップライト等を利用して、場所ごとに様々な光の状態をつくり出した。ひとつながりの空間の中においてそれぞれの室は、架構と床仕上げ、光の状態がつくり出す領域としてあらわれる。水面に一番近い場所につくった小さな黒い座敷は、川を楽しむ「離れ」であると同時に、この家にとっての大きな窓であり、対岸の高層住居からの視線を遮る緩衝帯でもある。敷地が元来持つ特別な奥行きが、そのままこの家の豊かさになった。(安原幹)
所在地:東京都江東区
用 途:専用住宅
建 主:個人
設 計:
・建築 SALHAUS
担当:安原幹、日野雅司、栃澤麻利、田中邦幸
共同設計:ムービングボールスタジオ
・構造 TS構造設計
・設備 創環境設計
施 工:小川建設
敷地面積:76.96m2
建築面積:45.90m2
延床面積:118.80m2
構 造:木造
階 数:地上3階
竣 工:2014.4
写 真:矢野紀行
location:Koto-ku,Tokyo
main use:private house
site area:76.96m2
building area:45.90m2
total floor area:118.80m2
structure:W
number of stories:3-stories
completion:2014.4
photo:Toshiyuki Yano