Rounded Corner Building カドマルビル
大阪府大阪市/2010
大阪の中心的なビジネス街にある30坪強の敷地に計画した、いわゆる「ペンシルビル」である。ペンシルビルは、日本の都市に特有のいびつなビルディングタイプである。極端に細長いプロポーションの建築を成立させるために構造部材の寸法は通常より大きくなり、小さなスケールの空間にそぐわない巨大な柱型が室内に現れる。構造を成立させるために各フロアの内部空間が犠牲になっているといえる。外観の表現に関しても、狭い間口でめいめいにデザインを競い合うことが、雑多な都市景観を生む一因になっている。本計画では、ワンフロア70㎡弱の狭小なスペースを最大限に利用するため、円弧状の壁柱を主体構造とし、柱型をなくしている。鉄骨造の壁柱は、厚25mmの鋼板リブを、厚9~16mmの鋼板でサンドイッチして製作した。壁厚は耐火被覆の仕上げ厚を含め最大で240mに抑えている。壁柱で区画されたスペースにはEV、水廻り、階段、避難バルコニーといった諸機能を納め、交差点側はポケットパークとして街に開放した。壁柱はそのまま外観に現し、街区全体のコーナーを欠きとったような表現としている。街区の景観を引き締めると同時に、この小さな建築に、アーバンスケールのシンボル性を与えることを意図している。(安原幹)
所在地:大阪府大阪市
用 途:事務所・店舗
建 主:モリシン
設 計:
・建築 SALHAUS
担当:安原幹、日野雅司、栃澤麻利
・構造 佐藤淳構造設計事務所
・設備 波田野建築設備設計事務所
・サイン 氏デザイン
施 工:鍛治田工務店
敷地面積:107.41m2
建築面積:86.86m2
延床面積:726.11m2
構 造:鉄骨造
階 数:地上9階
竣 工:2010.1
写 真:西川公朗
location:Osaka-city,Osaka
main use:office
site area:107.41m2
building area:86.86m2
total floor area:726.11m2
structure:S
number of stories:9-stories
completion:2010.1
photo:Masao Nishikawa