Sumita Municipal Housing(Shimizusawa Housing,Hiishi Housing) 住田町営住宅(清水沢団地,火石団地)
2021.3
住田町は豊富な森林資源を活用した木造町営住宅の整備を長年にわたって進めてきた。今回の二箇所の団地の計画は、広域に分布している町営住宅を中心市街地に集約し、まちなか居住を促進する政策の一環である。清水沢団地では、単身者向け4戸と家族向け2戸を、共用広場を囲むように配棟した。三角片流れ屋根の傾きをさまざまな方向に違えることで、各住戸への十分な採光と多様な眺望を確保した。室内からは広場や他の住戸における生活の様子が感じられ、多世代の住民が互いに見守りあえる計画となっている。一方の火石団地では、既存の2階建て住棟に、単身者向け3戸を追加建設した。既存住棟との間に通り抜け可能なアプローチ空間を形成し、新たな住戸に設けた木フレームによる半屋外空間は、プライバシーの調整と住戸内の生活の拡張を担う。2団地とも、町内の木工団地で製造される中断面以下の集成材で構成可能な架構を考案し、部材の製造・加工、建設を全て町内の工場と工務店で行った。敷地ごとに編み出された特徴的な架構による屋根並と内部空間を共有しながら、集まって住むための風景をつくり出す今回の手法は、中山間地域における公営住宅づくりのひとつのモデルとなり得るだろう。(安原幹)
所在地:岩手県住田町
用 途:戸建住宅 長屋(公営住宅)
建 主:住田町
設 計:
・建築 SALHAUS(基本設計・実施設計) 担当:安原幹、日野雅司、栃澤麻利、佐々木嶺、野口万莉乃、前田直哉
・建築・設備 佐藤設計(実施設計)
・構造 佐藤淳構造設計事務所
・設備 設備計画
・外構 武田計画室
施 工:住田住宅産業(清水沢団地) 齊藤工業(火石団地)
敷地面積:清水沢団地 889.78m2/火石団地 307.49m2
建築面積:清水沢団地 273.16m2/火石団地 156.07m2
延床面積:清水沢団地 339.08m2/火石団地 128.80m2
構 造:木造 階 数:清水沢団地 地上2階/火石団地 地上1階
竣 工:2021.3
写 真:矢野紀行
location:Sumita-town, Iwate
main use:municipal housing
site area:shimizusawa 889.78m2/hiishi 307.49m2
building area:shimizusawa 273.16m2/hiishi 156.07m2
total floor area:shimizusawa 339.08m2/hiishi 128.80m2
structure:W
number of stories:shimizusawa 2-stories/hiishi 1-story
completion:2021.3
photo:Toshiyuki Yano